はじめて長い 夢からハミ出す

あんまり気にしてなくて覚えてなかったのだが、父が3月いっぱいをもって定年で職場を離れるそうだ。 知らぬ間にジジイになってたみたいだ。過去記事を読んでくださった方はおぼえているだろうか? そう、おてとさんの事だ。

そらそうだよな、あなたの自慢の愚息ももうすぐ四十だよw

 

 

 

 

名前ググればすぐに出てくるような立場の人間だったので詳しい事は言えないが、総合病院のとある専門分野に籍を置き、ノンキャリながら真面目一貫の仕事振りを認められ院内ナンバー3までのし上がり、日曜日や休みの日には後進の育成のため講演会などに出向いて周り、したって下さる部下の方や周りの人も多く、とても自慢の父親だ。 長い間お疲れ様でした。

 

 

 

 

まあなかなか真似できない立派な事であるし、長い間お疲れ様でしたの感謝の意をこめ、母親と2人で何かプレゼントしようという話になった。 功績を称える気持ちというのはスマホのバッテリーみたいなものだ。普段は見せなくていいし、でもそれはほんのり暖かい。

ぼくこはるさんは両親とは別のところに住んでいるため、母親に『欲しいのもをそれとなく聞いておいてくれ。』と伝えてあった。 大々的に「プレゼントするぞ!」というのもなんか変だし恥ずかしいしねw

数日後返ってきた答え。

 

 

 

 

 

 

【おそくなって後見んGショックだって】

 

 

 

 

 

 

いつもの事なので誤字は無視する。エキサイト翻訳かばかやろう

しかしGショックか… 何故もっといいもの(高価なという意味の)をねだらないのだろう。

若い頃から仕事一筋、だけれど少ない休みの日は遊びに連れてってくれたり旅行の思い出も沢山ある。自分のための贅沢をしているところなど1度も見たことない。年収の数字で見ればぼくの3倍以上はゆうにあるくせにマイカーはありきたりな普通の国産SUV、タバコを吸うわけでもなく酒は嗜む以下の程度。家族のために生涯を捧げてきたような人間だ。高価なもの1つぐらい言えばいいものを。

 

 

 

 

 

 

そういう話を電話で母親としていたのだが、会話しながらもぼくにはわかっていた。なぜおてとさんが『Gショックが欲しいなあ』と言ったのかを。

 

 

 

 

 

 

中2か3の時だったかな、当時のデパートで、ぼくはおてとさんにデータバンクを買ってもらった。初めての腕時計だったしなんせ流行ってた。データバンク知らない若い方はググッてね! CASIOのデータバンクね。

とても欲しかったもので、『(学年の順位の貼り出されるテストで)いい順位を取ったら』という約束だったと思う。1桁位いないなら買ってあげると。

自分で言うのも恥ずかしいが、ぼくにとってテストの点で100点取ることは自分の名前を書くより簡単なことで、つまり全教科100点を取れば話は早いと理解した。そしたら必然1位だ。

学校というところがあまり好きでなく、テストもほとんどを受けずにきた若い頃だが、100点取ることは簡単すぎた。勉強はなぜかできたから。

 

 

当然結果は500点で1位となり、そのご褒美にデータバンクを買ってもらったんだが、データバンクはどちらかと言えばよそ行き用(当時はね!)、それともうひとつ、おてとさんはGショックを買ってくれた。なんてことないオーソドックスなチープなモデルのやつ。スポーツや遊びに行く時に付けるのはこっちのほうが頑丈で壊れないから、と。

超がつくほどの精密機械だったデータバンク(当時はね!w)は数年で壊れてしまったが、特別なモデルではないそのGショックはずーっと身につけて使っていた。

バイク乗る時も、就職してからも、長距離運転手になってからも、ずーっと。何度も電池交換をし、傷みやすいバンドも2、3回換えた。

 

 

 

 

 

 

なんならアラフォーとなる今でもまだ普通に使っている。

どこにでもありそうなチープなモデルのこれは、ぼくにとってはこれでないといけないただひとつのモデルなのだ。歳をとりお金にそれなりに余裕ができた今でも、そしてこれからも、ずっとこの時計を付け続けていくと思う。

時間は手動合わせだし、ソーラー充電にも関わらずすぐ電池なくなるし不便な事の方が多い。けれどこの時計を腕にまくと、腕時計を初めて装備したあの時を思い出しあの頃の自分が甦る。ぼくの人生の半分以上はこのGショックのゼンマイと生きてきた。特別な時間も、この特別じゃない腕時計と過ごし大きくなってきた。

 

 

 

 

 

 

つまり、今ではあまり会うことはなくてもおてとさんは見ていたんだ。今でも動いているこのGショックを。しぶしぶプレゼントさせられた当時流行った腕時計を。

 

 

 

 

おてとさんの唯一の趣味はバイクだ。今となっては骨董品のキャブの大型バイクに跨り、ほとんどない休みの少ない時間を過ごす。

ぼくは長男だからよくわかる。おてとさんは腕にGショックを装着し、オンボロのバイクを車庫から引っ張り出し、こはるさんと2人でツーリングに行きたいんだ。そのためにGショックは、バイクのハンドルやシート同様絶対欠かせないパーツなのだろう。

まだ実家に住んでいた頃は(こはるさんちは男全員バイク乗り)よく父親と隣町や海や山色々とツーリングに行った。目的地などなく、運転に疲れたらそこにある自販機でコーヒーを飲んで帰る。ただそれだけの事だが色んなとこへ行ってコーヒーを飲んだ。世界一うまい缶コーヒーだった。

 

 

定年となり(とはいえ4月からまた別の病院で働くらしいがw)人生ひと段落し時間に余裕がある今後、まだぼくが同居していた時のように休みの日はツーリングに行きたいのだろう。

大してというか全く親孝行などしたことは無い。断言できる。が、ここでGショックひとつ買うことがささやかすぎるがそれとなるなら、次の休みに時計屋さんに行ってみようと思う。

そして実家で暇そうにしてるのを見かけたら、手ぶらでもいいからその辺にツーリングでもたまには行くかと誘ってみようと思う。

 

 

持っていくものはGショックと缶コーヒー2本分の小銭だけでいい。

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3件のコメント

  1. いい話だった…
    Gマーク…じゃないGショック流行りましたね〜!!データバンクは帝国しか知らないですが(なんか銀行っぽい響き)
    わたしはベビーGという土屋アンナちゃんがイメージモデルやってらした時計が欲しかったです〜買ってもらえなかったけど!

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  2. データバンクはねー、めっちゃボタンのついた電卓みたいな腕時計 当時携帯電話のメモリーが50件とかしか入らなかったのが最新機種だったけど、データバンクは500件も電話帳登録できたんだよー(*Ü*)

    一回り歳の違うお嬢の世代でもGショック流行ったんだなあ… 壊れるまではとりあえず使い続ける、このGショック

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    1. ひとまわり…ウンウンソウダネ

      データバンクすげえ!腕時計なのに電話帳機能あんの!?笑

      Gショックは買いたくても買えないくらい売り切れ続出でしたもんね!やっぱり強いんですね〜(物理的)これからも大事になすってください!

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