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トラック業界裏話
管理体制に抜け穴 乗務中に「副業」「デート」
2018年7月 4日
運送業界では昔から、ドライバーが一度会社を出れば、何をしているのか分からないと言われるほど、管理体制がずさんであったが、最近ではドライブレコーダーやデジタコなどで管理され、運行状況まで把握できるようになった。管理体制が整っていない時代では、ドライバーが空き時間や帰り便の空状態を利用し、個人的に荷主から仕事を得て副収入を得たという話も存在したが、今ではそんなこともコンプライアンスや管理体制の強化から出来ないと思われていた。しかし、やはり抜け穴は存在したようだ。
大阪市の運送A社は、2年前にドライバーを解雇した。このドライバーは管理業務も兼ねており、仕事のない時は荷主管理や営業管理なども行っていて、会社からの信頼も厚かった。しかし、このドライバーに対して様々な噂話が存在し、会社側も内密に調査したところ、このドライバーは、乗務中の空き時間や積載状況から、知り合いの荷主(個人・零細企業)から勝手に仕事を請け負って配送を行い、現金で自ら徴収もしくは個人口座に料金を振り込ませていた。
さらに、営業管理などで外回りの時は、愛人とデートを重ねるなど、会社の車を利用して様々なところに遊びに行っていた。一部の人間が、このドライバーが乗務していた会社の車両を調査すると、ドライブレコーダーの記録から様々な所に彼女とのデートで向かったところが記録されていて、会社側は全ての証拠を集めて本人に聞くと、事実を認めて解雇を受け入れた。
会社としては本来、会社の車両を利用して配送業務を請け負っていたことも把握していて、横領で刑事告訴するべきだったが、本人も反省して解雇を受け入れており、刑事告訴せずに終わった。
A社は、このドライバーの解雇後、本人が賃金を求めて来た場合には、手渡しで解雇前までの賃金を支払うと本人に告げていたが、本人は解雇後、会社に一切現れなかった。それから1年10か月が経過した時、突然、裁判所からA社社長宛てに通知が届いた。それは訴状で、このドライバーの賃金が未払いとなっているとのことで、A社社長は弁護士を通じて、このドライバーの訴えに対して争う姿勢を示したが、裁判の結果では、このドライバーに対して、働いた分の賃金など約50万円の支払いが命じられた。
A社社長は「本人には何度も携帯に電話して給与を取りに来るように伝えたが、本人は業務上の横領などの問題も当社で匂わせていたため、会社には訪れなかった。さらに給与などの支払いについては時効が2年ということを考えて、その寸前に裁判所に訴えてきた。今でも腹ただしく思う部分はあるが、刑事告訴までは、手間と時間もかかることから訴えなかった。そんなことに時間や労力をかけられない」と呆れた様子だった。
人材を大切にすることは必要だが、その人材に誤解を与えてしまうこともあるため、適正に人材育成を行っていくことが必要なのかもしれない。
記事提供:物流ウィークリー新着「トラック業界裏話」
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