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  • 2026年4月の最新投稿

    【第13回】ブルーカラー・ビリオネアという言葉の意味

    2026年4月30日 New

     
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    こんにちは(´-ω-`) ライター橋本です。       10~2月の繁忙期を越えたはいいが、 今年はその後に超タイトな締切で 書籍の執筆が待っていたうえ (まだ全然終わっていない) そこにイラン情勢ドーンと来て 仕事量がえげつないことに。       結果、優しい人たちから順番に迷惑をかけ 他の原稿がなかなか書けないという 胸の痛い状況が続いていましたが 皆さんいかがお過ごしでしょうか ※ブルルさんごめんな(*´ω`)       ということで 久々の更新になりました今回の話題は、 最近よく見聞きする      

    「ブルーカラー・ビリオネア」

          なる言葉についてお話したいと思う。     書籍のタイトルも実は 「ブルーカラー・ビリオネアの幻想」 的な感じにしようかと思っているところです (あくまでも仮やが)。        

    ブルーカラー・ビリオネアとは

      最近、よく報道や記事で このブルーカラー・ビリオネアという言葉を 見聞きするようになったと思います。       どんな感じで報じられているかというと、       ホワイトカラーの仕事が AIに代替されるようになり、 ホワイトカラーから AI代替の難しいブルーカラーへの転職が 注目されるようになってきている。       ブルーカラーは今、深刻な人手不足。 タクシーや電気工など、 年収1000万円越えが続出。     「ブルーカラー・ビリオネア」も夢ではない✨       といった感じです。         なぜか知りませんが、 この手の報道、今年に入ってから いや、この数週間でやたらと急増したんですね。 なかには         「ブルーカラーは中卒でいい」         という前提で報じる記事まで(詳細は後述)。         当初、       「報じる側にブルーがいないんだもんな。 そういう意見が出るのも仕方ないか」       と静観していたんですが ここ最近、あまりにも現場を無視したまま 数だけどんどん増えていく各報道に 不快感を覚えるように。         その不快感をもたらしている 「現場軽視」については のちほどお話するとして、     まず、 この「ブルーカラー・ビリオネア」 という言葉の意味について説明しておきます。           「ブルーカラー」は当事者の各位ならば すでにご存じだと思いますが、 要は       「作業服を着て仕事をする肉体労働者」       のことを指す言葉です。       これまで ブルーカラーの現場を取材する書き手として 「ブルーカラー」という言葉を 多用してきたんですが、     その度に      

    「『ブルーカラー』は差別用語だ」 「そんな差別用語使うライターはけしからん」

              などという ワケの分からん指摘を 受けてきたことはさておき(´-ω-`)     (てか、ブルーカラー・ビリオネア という言葉が出てきた後も彼らは 「それは差別用語だ」 と言い続けてるんでしょうかね…)         よく誤解されるところとして、 このブルーカラーの「カラー」を   色(color)だと思っている人が多いんですが、 このカラー、       襟(えり:collar)         という意味なんですね。 つまりブルーカラーは         「青色」ではなく「青い襟」という意味         になります。         次に「ビリオネア」ですが、 語源になっている「ビリオン」。 これ日本円に直すと どのくらいになるかご存じですか?        

    約1600億円

            でっせ(´-ω-`)       あの世界的超スーパースター 大谷翔平選手でも10年契約で約1000億円。         どれだけ現場をヨイショしたとしても、       これまでやれ「低賃金だ」と騒いでいた職業を 「1600億円稼げる仕事」なんて嘘は 付けません。         こういうところも 私がこの「ブルーカラー・ビリオネア」 なる言葉が 軽々しく使われていることに 悶々とするポイントの1つです。        

    誰もビリオネアになっていない怪

        もう1つ、小さな悶々をお伝えしておくと、 このブルーカラー・ビリオネアという言葉は アメリカからやってきた言葉ですが、 そもそもな、      

    アメリカでも ブルーからのビリオネアは 存在しておりませんのよ。。。

            言葉の発祥地である アメリカで実際に起きた アメリカンドリームの当事者のなかで 最も有名なのが 「ラリー・ジャネスキー」さん という方なんやが、         彼は18歳の時に 住宅リフォームなどの大工として仕事を始め、 会社を経営するようになった結果、 文字通り「ビリオネア」になった人です。         つまり、 労働者の時にビリオネアになったのではなく、 実業家になってからなんですね。         そして、 私が今回の報道で最も悶々したのは       これまで散々 「3K」だ「底辺職」だ と現場を揶揄していた あるいは 見えない存在として押し込めていた世間が       「お、ブルー稼げるんだって?」       と、 手のひら返して「いい転職先」としたこと、       そして、何より       「ホワイトの俺たちならブルーへの転職は簡単だろ」         という安易な考えが見え透いていたから       です。         各記事や報道では AI台頭に絡み、 「GAFAM」が人員削減や希望退職者を 募ったりする動きが見られる という話が紹介されています。       GAFAMとは、       G:Google(グーグル) A:Apple(アップル) F:Facebook(フェイスブック) A:Amazon(アマゾン) M:Microsoft(マイクロソフト)         の超大手アメリアテック企業のこと。       それらが、 「AI台頭で人を切り始めた」という話が 最近よく報じられます。       ※そのうちの1つを紹介しておきます。       Microsoft・メタ8000人削減 米テック、人員よりAI投資優先(日経新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2400L0U6A420C2000000/         …でもな、でもですよ。       AI台頭によって人員整理された GAFAMの社員のなかで、       いったいどのくらいの人が 1000万円稼げるとび職や電気工に 転職したんでしょうか。      

    恐らくほぼゼロだと思いますよ。

            一般的に、 労働者が転職する先は、       「同じ山にある別の川」 (=同業種の別企業)     です。 しかも、GAFAMの場合、     「上流」にある 同程度の標高で「横移動」       するはずです。       AIが台頭したところで、 優秀なテック人材を欲している企業 はごまんとある。       何より彼らにとって 年収1000万円は「激安」です。       年収でいえばそれこそ 「ミリオネア(約1.6億円)」越えが うじゃうじゃいる世界。       「別の山の別の川の下流」 (別業種の別企業の低年収)に 誰が行くんでしょうか。             なので、最近の潮流というのは、       人手不足で否が応でも 現場の給料が上がっている現象を       タクシードライバーやとび職には 絶対転職しないであろう AI台頭による人員削減の対象になった GAFAM社員のニュースに無理やり絡め、       アメリカですら起きていない 「ブルーカラー・ビリオネア」寓話を利用し、       「今ならホワイトカラーよりも ブルーカラーのほうが稼げますよ」         「ホワイトカラーから ブルーカラー行くのは簡単ですよ」       というミスリード・潜在的差別を 日本で広めたお話、       なわけです。           これが私が昨今の報道ラッシュに 悶々した理由です。         ホワイトカラーからの参入自体、 私は歓迎すべきことだと思います。 後述するように、 この業界は門戸が広いので ブルーやホワイトに限らず、 様々な属性の人が参画すべき業種だと思っています。       ホワイトがくることで この業界に詰まりに詰まった どうしようもない「古い商慣習」も 新陳代謝されることを望んでいます。       が、昨今の報道には そういった「ブルーカラー目線」の言及が 一切されず。       「現場がリスペクトされない報道」       は、世間に現場軽視を広める恐れがある。 そう感じています。         現場のなかには 「人がドカッと入って来るチャンスじゃないか」 と思う人もいるかもしれないですが、       目先の現象に喜ぶでなく、 視野を広げて見てみてほしいなと思います。            

    ブルーカラーは中卒でいのか

        もう1つ、       ある記事の一部が 「ブルーカラーは中卒でいい」       という前提でお話されていたので、         ここでブルーカラーの学歴について お話しておきましょう。         私自身、 ブルーカラーの労働問題を深部まで書くと 必ず触れることになるのが           「学歴」       です。       現場からも世間からもよく聞かれる       「ブルーカラーは中卒でもなれる」 「Fラン大学行くぐらいなら早く就職したほうがいい」         という言説ですが、私個人的には、 少し引っかかります。         私も、原則 「ブルーカラーに”学歴”はいらない」 と思っています。         が、この文は、 もっと噛み砕く必要がある。         私がブルーカラーに “学歴”はいらないと思っているのは       まず、 ブルーカラーの最前線に必要な資本は 「腕」や「健康維持能力」であり、         最終学歴や 出た学校の名前ではないから         です。         “学歴”というのは、 その学んできたものを手っ取り早く かつ客観的に提示するための 1つの手段・材料にすぎません。         そのたった1つの材料があるからといって 「人間全体の評価」ができるわけではない。         こだわりの卵を使っても パンケーキミックスが10年前に期限切れてたり 調理器具がなかったり、 そもそも作り方知らんかったりすれば(ワシやないかい)         ケーキは作れんのです。         なのでこの論で言うと、 “学歴”が必要ないのは、 ホワイトカラーも同じです。       ホワイトの現場も同じく、 彼らに必要なのは、タスク処理能力であり、 学校の名前ではないですからね。           そして、ブルーカラーに “学歴”がいらないもう1つの理由。         それは、このブルーカラーという業界は         「門戸が広いから」       です。         実際、ブルーは 元研究者であれ、元犯罪者であれ 門戸を広く広く開けて 様々な人を受け入れてきました。           ホワイトカラーにはない多様性が 現場にはあります。       学歴がいい悪いで、人を選ぶような 狭い業界ではないんですよね。              

    それでも行けるなら大学は行った方がいい理由

          が、誤解してはいけないのは、         ブルーであれホワイトであれ、失業者であれ 「“学び”と、“その学びに費やす時間”」は 絶対的に必要だということです。         世間では何をもって Fランと言っているのかは知らんですが、 そういう意味では、 私は学校は行けるならば 行けるところまで行ったったほうがいい と思っています。         どんな学校でも。         中学よりも高校、 高校よりも専門・大学、 大学より大学院。         ランクや時期に関係なく。         私自身、いろんな学校に行き (日本語学校ではあれど) 「先生」という立場にもなってみて、 各々でしか感じられない 学びがあった・あると強く感じています。         なかでも高校までよりも大きい学びになったのは、 専門知識と同じくらいの         「コミュニケーション能力」と「視野」         です。         大学などでは、 中学・高校では出会わない 地方や海外から来た様々な人と話をしたり、 意見をぶつけ合って議論したり、 時にケンカしたりすることで、       社会に出る前に 知らない他人の常識、 そして自分の中にあった非常識 を知ることができる 貴重な時間を過ごせると思っている。         このコミュニケーション能力と広い視野は、 ホワイトカラーでもブルーカラーでも あった分だけ得をすると感じます。         当然、 私が得たコミュニケーション能力や視野なんざ 私以上に学びを深めた人たちに比べりゃ 屁のツッパリにもなりませんが、         それでも小学校より中学、 中学より高校では得られなかった 大きなものがあると思っています。         一方、先述したように、 現場に必要なのは「腕」や「健康維持能力」ですし、         なかには 「コミュニケーション能力なんて必要ない」 という方もいらっしゃるかもしれません。         ブルーカラーにおいては、 人と会話をする機会も比較的少ないです。         でも。 でもですよ。         現実は このコミュニケーション能力は 環境のいいブルーカラーの企業であればあるほど 必要だったりします。           先日運送事業者(企業)向けにとった アンケートで、         「転職してくる人の何を見て採用を決めるか」           という設問を立てました(複数回答可)。         まだアンケートは実施中なので 結果は変わる可能性はありますが、       それでもなんと、 「資格・経験」の次に多かったのは         「話し方」         でした。         ひとつここで指摘しておくべきは、 人間が普段取っている 「コミュニケーション」というのは、           話す内容のことだけではない         ということ。         コミュニケーションは、 ボーっと突っ立ってる時の姿含め、 相手が見る「態度」「顔の表情」など 全部ひっくるめたものの総称 なんだと思うんですよね。       それほど会話する必要のない ブルーカラーの現場でも そこに存在している姿や表情、しぐさだけで、 人は勝手に人と コミュニケーションを取っています。       その無意識なコミュニケーションを学ぶには、 やはり         「(自分にないものをもっている)人との出会い」         なんじゃないかな。         よく日本の大学は 「人生の夏休み」と揶揄されますが、 私はどちらかというと、       「人生の自由研究期間」だと思っています (本来は勉強に明け暮れるべきなのは前提として)。       その自由研究のテーマとして 他人の言動を観察し、 視野を広げることに没頭できる期間 なんだと思います。         そして、人生で一番失敗できる時期でもある。       高校時代の失敗は笑ってくれる。 大学時代の失敗は叱ってくれる。         が、社会人の失敗は叱ってくれることすらない。       そういう上では、 「ガッツリ学生」と「ガッツリ社会人」 のつなぎの期間として、大学は ランクに関係なく       観察する時間も失敗する時間も たっぷりとれる期間なんだと思う。         というか、         観察・失敗するための期間が たまたま「大学在学の期間」にあたる       という認識の方が、         「大学は行けるならいったほうがいい」       の真意に近いです。         当然、 中学や高校からでも コミュニケーション能力は身に付きます。         実際、twitterでいつも冗談言い合う人の中に ライターでも嫉妬するくらい コミュニケーション能力が高い あるトラックドライバーさんがいます。         中卒は中卒で、 高卒は高卒で、 専門卒は専門卒で       大学に行かなかったからこそ得られた コミュニケーション能力もあるはず。       実際、うちのオトン中卒ですが、 彼のコミュニケーションお化けっぷり見ると 改めてそう思います。       現場にも大学と同じように 自分にはない価値観を持った人が たくさんいるわけですからね。       それに何より、当然のことながら、 たとえ大学に行っても コミュニケーション能力が低く 視野の狭い人も たくさんいます。       繰り返しになりますが、 学校に行かなくても コミュニケーション能力が高い人も 非常に多いです。       が、その能力を失敗から得られる機会は やはり学校にいる時の方が多いんだと思う。       そして、 色んな人が集まる学校で 色んな味をしみこませたうえで 社会に出るのと、       まっさらな状態で 「自分が就職した会社に味つけを“してもらう”」     という違いもあるのかもなと思う。       しみこませた味が会社だけになると、 よほど「自分」という芯をもっていないと 会社や権力に流されてしまう。     そうすると、 転職する時に結構苦労してしまうんですよね。 実際、私の工場には、 そういう人たちが少なくありませんでした。     うちの会社の常識が、 他の会社の非常識、というケースは たくさんあるのでね。       なんや「人間形成」的な観点から ばかりお話してきましたが、 専門知識を得るという意味でも ブルーだって大学行っていたほうが 外的知識は当然増えます。       体が資本ならば、 保健体育系の大学・学部に行けば 健康に業務を遂行できるための 知識を得られるかもしれない。       経済系の知識が少しあれば、 今自分が作っているもの、 運んでいるものを より主体的に感じ取れるかもしれない。       こうした「外的知識」はあって損はないと 私は思っています。        

    再びの登場「リスキリング」

        今回の報道や盛り上がりによって、 世間には     「ホワイトからブルーへの転職は楽勝」     という潜在的な現場軽視があると 改めて思い知らされたんですが、 私はそんな一方通行ではなく     「ブルーからホワイトに行く道もあるべき」       と強く強く感じています。       ホワイトがブルーに転職するのは 「楽勝」と思っているのに、   ブルーがホワイトに転職する門戸は狭い という現在の社会構造。     これが解消されない限り、 「ブルーカラー・ビリオネア」 という言葉への違和感はぬぐえないと 個人的には思うのです。         最後に。     これを読んでくれている人には こう思っている方も少なくないはずです。       「おい、橋本。   50代中・高卒の俺に向かって 『大学は行っといた方がいい』とか バカにしてんのか。 もう遅いじゃねえか。       学歴差別だろ」         いいえ、そんなことありません。 アレですアレ。         このブルルさんでは 過去に何度も出てきています         「リスキリング」       です。     何度も言うように、 現場には“学歴”は必要ないんです。     必要なのは何度も言うように、 「学びと学びに費やす時間」。       学び始めるのに 年齢なんて関係ないですからね。       いや、 大人になってからの学びこそ、 自分をより成長させる要素になると思う。       自分自身の「社会的価値」が分かったうえで リスキリングするのって、 学生と社会人の間の「大学期間」で学ぶ以上に 大きなものを得られると思っています。     学びは自分の好きな趣味、 現場で求められている知識など     なんでもいいと思います。       とにかく自分の時間を増やし、 学べる時間を増やす努力をしてほしいなと 現場の人たちには思います。       なんや気が付いたら長文になってしまいましたが…       なかには、経済的な事情で 「高校・大学に行きたくても行けなかった人」 もいるかと思う。     だからこそ、 大学まで学費いらない、ってなるといいと 心の底から思っている(*´ω`)     学びたい人に障壁なんてあったらあかん。     労働時間を少しでも短く・楽にして、 「自分」に投資できる時間ができる社会に できるといいなと思っている次第であります。       大学まで無償になるといいよな‥‥ボソ   ということで今回はこれにて。       最後まで読んでくれてありがとうございました。 また次回なv
     
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