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    アンケートレポート配布と運送業が議論すべきアレコレ

    2025年4月29日 New

     
    blog20250429
    前回の記事で「運賃のものさし」アンケートの途中経過をお知らせいたしました。   ブログでお知らせした後、さらにたくさんの方がご参加くださいました。 本当にありがとうございました!   アンケート結果のレポートをまとめています。 下記URLよりお申込みください。   第1回運賃アンケート結果レポートお申込みフォーム    

    もっともっと話すことが必要な運送業

      さて、先日Xでこんなアンケートをしてみました。     俗にいう、「坂本新法」による運送業5年更新制が現実味を持って近づいています。   これは何かというと、「改正貨物自動車運送事業法」の中で一般貨物自動車運送事業の免許は5年ごとに更新しようね、というルールです。     なんでそんなこと始めるん?     その理由は大きく2つ。   まず1つは【悪徳事業者を排除するため】です。     そして2つ目は【無許可の白トラ行為の排除】です。       白トラでの運送については100万円以下の罰金が科せられるようになる内容になっているそうで行政処分とは別にしっかり罰則が付く内容となっています。     で、     Xのアンケートでは1つ目の理由である【悪徳事業者を排除するため】の悪徳事業者とは何?ということを現場の肌感で聞かせてもらおうと思ったわけです。     なぜなら、新法の骨子は動いているにもかかわらず「悪徳事業者」に対する定義づけが曖昧であり、尚且つ、バス事業を模倣しようとしてもバス事業の更新を行う士業の先生からは模倣したとしても中身がないと苦言を呈されているような状況です。   下記、横浜市の行政書士 鈴木先生の記事から一部抜粋させていただきました。    
    一足先にバスの更新申請が始まっていますが、本当に書類がめんどくさいだけで中身は空っぽです。   今後の収支計画だって適当に書けばいい、というか適当に書くしかないわけです。根拠のある事業計画を立てられて、ある程度その通りに計画を進められる会社なんて上場企業レベルしかいませんよ。中小零細企業は来月の仕事だってどうなるかわからないんですから。   1台ごとに、5年分の点検実施やオイル交換などについて「年月日、その時点の走行距離」を書きます。それらの点検関係書類が1台につき、8枚程度必要です。100台あったらそれだけで800枚ですよ。ヤマトなんて5万台以上あるのですからそれだけで40万枚、厚さにしたら40mですよ!!さすがにデータで申請することになるのだとは思いますが。それを作る手間も大変ですし、なにより運輸局担当者がその量を確認しきれると思いますか?しかもそれは点検記録簿を添付するわけでも、整備事業者の作業報告書を添付するわけでもないから完全に申請者が勝手にテキトーにそれっぽく作ってしまっても裏を取ることもできません。正直者がバカを見る制度になっています。
        つまり、中身のある改正をするためにはもっともっと議論が必要ということです。   現状更新制を先駆けて行っているバス事業で発生している問題と同じ問題を起こす前に現場からしっかり声をあげていくことはとても大事だと実感しています。    

    現場の肌感で感じる【悪徳事業者】とは?

        アンケート結果で最も多い回答数だったのが【改善基準告示を守らずに長距離走って稼ぎまくる】事業者でした。(回答数39.3%/262名)     その次が【社会保険に入っていない】(28.2%/188名)、【ほとんど対面点呼をやっていない】(24.3%/156名)、【決算が赤字なのが数期連続】(8.1%/54名)と続きます。     その他の回答としては  
    • 労災隠し
    • 車両整備が杜撰
    • 運賃の不正な値下げ交渉
    • 是正指導を無視
    • 白ナンバー運送や名義貸し
      などがありました。   どれをとっても「悪質」です。 現場の肌感である「悪質」をどのように法的根拠にしていくかを考えていくのがこれからの作業になると思います。  

    数字で表すことができないと根拠にならないのか

      法的根拠にするためには「数字」が必要だ、と昔からよく耳にします。   ですが果たしてそれが本当に正しいのか、と言われたら答えはノーです。     なぜなら、今まで数字で表示できたことを基準化した結果が今なわけですから。     今まで数字だけを頼りに、というか数字だから管理が簡単だったので数字を根拠にしてきた結果、無法地帯のごとく、運賃の過当競争が行われているにも関わらず規制できていない。     悪質事業者を排除しよう、とする根拠には数字以外の現場の声を反映させる仕組みを作っていく必要がある。そしてその声に対してフィードバックしていく、という循環作業が運送業には不可欠だと思っています。     現場の肌感、というのは本当に侮れないもので現場が感じている感覚を吸い上げることは基準や定義を作る上でとても大切です。   なぜなら現場が情報の第一線だからです。     管理側が基準としている数字よりも前の生身の情報を持っているのは現場です。   その現場からの声を聞くことはルールや基準作りの初歩の初歩です。     声を吸い上げてどうするのか?     という愚問はご遠慮いただきたいのですが、現場の情報を知らずして基準を作るための項目選択はできません。     基準作りのために①はこれで~②はこれで~、と項目を挙げていったとして必要か不要か、もしくは優先度の選択を迫られた時の根拠は数字だけ、というのでは浅過ぎます。  

    議論して中身を作り上げていこう!

      新しいルールを作る、基準を作る上で今までは「机組が勝手にやってろ」という現場の無関心もあったかと思いますが   それは今までの話です。     アンケートや法改正のポスト等でも実感しましたが令和の今、現場は管理側にとても関心を寄せています。 現場も管理側も一緒にルールや基準、定義を決めていけるような仕組みを運送業から作っていってもいいと思います。   私は現場側の人間ですから、管理側の方が一緒にルールや基準を作る場所が欲しければいつでも言うてください。   準備します。  

    まとめ

      運賃のものさしアンケートでハッと気づかされた言葉があります。   それは「物流企業の敵は物流企業とか言っている場合ではなく、業界全体で物流維持の為の活動が必要だ」というご意見でした。   業界全体で、物流維持のための活動。   これが今までの運送業に足りていなかったものだと思います。   運賃を上げていくにも右見て左見ていっせいのーで、でやってきた業界だからこそルールを決めていく時には一緒に話をしていきたい。   より深い議論を広げて管理側にも上げていきたい。   そう思って今回はブログを書かせていただきました。   最後までお読みいただきありがとうございました。
     
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