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  • 配車女子 とら子の「一配一会」

    物流を軽視した企業から淘汰される時代へ――CLO義務化の本当の意味

     

    2026年3月24日 New

     
    • 20260324

    CLOを置いても、物流は変わらない。

     

    2026年4月から、一定規模以上の荷主・フランチャイズチェーンの本部に「物流統括管理者(CLO)」の選任が義務化されます。

     

    聞いて、"ようやく!"と思った運送会社さんも多いんじゃないでしょうか?

     

    これまで物流は営業や工場の後付けで考えられてきた。

    納期は営業が決めて、生産計画は工場が決めて、「物流はそれに合わせろ」…この繰り返しでした。

     

    だからドライバーの荷待ちが減らないし、過積載も是正されないし、適正運賃も実現しない。

    でも、ここからが現場の悲しい現実なんですよ。

     

    「役員だからって、営業には意見できない」の壁

     

    ただ、物流担当の役員がCLOになったからといって、営業部長や工場長に指示できるわけじゃありません。

     

    特に営業や生産の役員の方が、会社内での発言力は上、という場合だってある。

     

    副社長クラスがCLOにならない限り、「ドライバーの負荷を減らすため、納期を調整しましょう」「過積載は改めます」という提案も、"聞き流される"可能性が高いんですよね。

     

    これは組織構造の問題。

    CLOの権限が明確でなければ、いくら制度として"義務化"されても、実行力ゼロになってしまうんです。

     

    荷主側の経営判断が変わらなければ、運送会社は浮かばれない

    実は、このCLO制度が本当に機能するかどうかは、運送会社じゃなく荷主の覚悟にかかっています

     

    • ドライバーの負荷低減 → 納期の余裕化、配送計画の見直し
    • 積載率の向上 → 発注パターンの最適化、保管・流通方法の変更
    • 過度な集中排除 → 複数企業への分散、配送時間帯の工夫

     

    これらって、すべて荷主の経営判断が伴います。

    物流だけが頑張っても無理な話です。

     

    というか、そもそも運送業は発荷主ー着荷主の間の仲介業者でしかないので運送業単体では解決することが少ない。

     

    荷主さん方の企業努力と協力が絶対的に必要なんです。

     

    CLOに必要な「経営戦略としての物流」という思考

    国が「経営管理の視点から物流全体を理解し、戦略的に判断しなければならない」と要件に含めたのは、実はすごく重要な指摘。

     

    つまり、物流って「ドライバーを管理する部門」じゃなくて、会社の競争力を左右する経営課題だってことを、荷主が認識する必要があるんです。

     

    そうなれば、営業も工場も「物流との協働」を当たり前に考えるようになる。

     

    ドライバーの負荷が減れば、採用も楽になるし、燃料費も抑えられるし、運賃交渉だって対等になりやすい。

     

    結果として、サプライチェーン全体が強くなると思っています。

     

     

    実運送会社からの期待と懸念

    中小運送事業者からすると、このCLO制度はチャンスです。

    もし荷主にホンモノのCLOがいれば、「ムリな案件は請けられません」「適正運賃でなければ配車できません」という主張が、通りやすくなるかもしれない。

     

    でも、もしCLOが「お飾り」のままなら?

     

    営業や工場の言いなりで、結局ドライバーとそこに従う中小運送会社が搾られ続ける…その構図は変わらないんですよね。

     

    CLO制度が本気で機能するために

    CLOが力を持つには、

    会社のトップ(社長や会長)が「物流改革は経営改革」と本気で考えることが必須です。

     

    というか、どんなにいいものを作ったとしてもその商品がお客様の手元に届かなければ意味がないんです。

     

    届けるためには運送業の力を借りなければいけない。

     

    今までは運送業は「いて当たり前」の存在でした。

     

    ですが、昨今の世界情勢や法改正を見てわかる通り、「いて当たり前」の存在ではなくなっていく可能性が高いです。

    「いて当たり前」の存在から「選ぶ」側に行く運送会社は今後増えていきます。

     

    自社商品を正確に、安全にお客様の手元に届けたいと考える荷主企業はきっと早々と物流改革に着手しています。

    質の高い運送会社に荷物を運んでもらいたい会社は良い条件で運送会社に提案しています。

     

    燃料代、車両代共に大幅に上昇する中で運送会社はボランティアで仕事をしているわけではありません。

    自社の利益を最優先事項と考え、取引するお客様を選ばせてもらう時代になっています。

     

    荷主企業は「自社が選ばれる存在になるためにも」CLOという、企業の物流担当者に責任と権限を与え、自社の商品の流通を円滑に行わせる必要があります。

     

    だからこそCLOには、営業や工場に対して物流的な課題を「提案」じゃなく「指示」できる権限がないと意味がない。

     

    国の義務化も大事ですが、実際には荷主企業の内部改革まで迫られる制度です。

     

    だから、これからの数年は、真摯なCLOと形だけのCLOで、荷主企業の物流対応の差がどんどん広がっていくんじゃないでしょうか。

     

    運送業界にとっては、その見極めが生死を分けるほど重要になる。そう考えています。

     
     
     
     
     

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