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配車女子 とら子の「一配一会」そのDX、今の会社に入れて本当に機能する?
2026年9月8日 New
めっちゃ前から、運送業界でも「DX」という言葉をよく聞くようになりました。
配車管理システム、勤怠管理、請求書の電子化、車両管理、運行管理、AIによる業務効率化……。
ブログでも何度もDX、ちょっとちゃうくね?みたいな記事を書いたこともあります。
ただ、人手不足が深刻になっている運送業にとって、DXはこれから避けて通れないテーマだと思います。
でもずっと、私にはひっかかっていることがあります。
「そのDX、本当に今の運送会社に必要なの?」
ということです。
正確に言えば、
「DXを導入する前に、もっと先にやることがある会社が、ものすごく多いんじゃないか」
と思っていますしずっと言い続けています。
DX以前に、事務処理ができていない
これは運送会社で働いている人なら、ある程度分かってもらえると思います。
例えば、高速道路の利用明細。
「高速代の明細を出してください」
とお願いしたとします。
すると、
「さすがに昨日の今日で出すのは無理やわ~」
「そんなの無理やで」
「電話したら取れるんやろうけど、先方(協力会社)が対応できるかわからん」
という話になる。
いやいや。笑
もちろん会社によって事情はあります。
でも、こういうごく基本的な事務処理すらスムーズにできない会社が、本当にたくさんあります。
受領書もそう。
荷物を届けた証明になる大事な書類なのに、なかなか戻ってこない。
請求に必要な書類が揃わない。
誰がどの書類を管理しているのか分からない。
必要な資料を探すのに時間がかかる。
そして、担当者が休んだら何も分からなくなる。
これが、現場で起きていることです。
そんな状況で「DXしましょう」と言っても……
例えば、ある会社にDXの営業担当者が来たとします。
「御社の業務を効率化しませんか?」
「クラウドで情報を一元管理できます」
「AIを使えばさらに効率化できます」
もちろん、サービスそのものは素晴らしいのかもしれません。
でも、その前に確認したい。
「そもそも、今どんな業務をしているのか整理できていますか?」
ということです。
DXというのは、何もないところから突然始めるものではありません。
まず、
「今、どんな仕事をしているのか」
「誰がやっているのか」
「どこに時間がかかっているのか」
「どこでミスが起きているのか」
「どこが属人化しているのか」
「何を変えれば効率化できるのか」
を把握する必要があります。
つまり、
現状を把握する能力が必要なんです。
「事務処理ができる人」がいて、初めてDXが生きる
私はDXそのものを否定しているわけではありません。
ちゃんと使えば、DXは運送会社にとって非常に大きな武器になると思っています。
例えば、
「毎月この作業に3時間かかっている」
「この入力を二重にやっている」
「この担当者しか分からない仕事がある」
「この書類を毎回手作業で整理している」
ということが分かれば、
「じゃあ、この部分をシステム化しよう」
「ここは自動化できるんじゃないか」
という話ができます。
これがDXです。
人がやっている仕事を理解したうえで、機械に任せられるところを任せる。
だからこそ、
「事務処理ができる人がいて、その人が属人化から解放されるために機械を使う」
という順番が大事なんじゃないかと思っています。
ところが、そもそも事務処理ができる人がいない。
何を誰がやっているのかも整理されていない。
書類も揃っていない。
数字も把握できていない。
そんな状態では、
「何が課題なのか」すら分からない。
そこにDXだけ持ってきても、正直どう使えばいいのか分からないと思います。
実は、弊社では今大々的に作業をDX化する動きがあってシステム会社と毎週打合せをしています。
このシステムを作る時に大前提となるのが
「私がやってるこの業務、DXにして作業時間を短くしたい」
という、自分の業務の負担軽減なのです。
これは実際に打合せをしてわかったこと。
勤怠管理をはじめ、売上管理などわざわざ手入力でエクセル入力しなくてもDXで自動入力できるのであればめっちゃ楽になる。
自分が携わる仕事だからこそDXしてほしい部分がわかるというわけです。
「俺は事務が苦手だから」では済まなくなっている
ここからは、少し厳しいことを書きます。
運送会社の経営者や管理者から、
「俺、事務処理苦手やから」
「書類とか嫌いやねん」
「俺は現場の人間やから、そういうのは分からん」
という話を聞くことがあります。
気持ちは分かります。
運送会社を立ち上げた人の中には、トラックが好きで、ドライバーとして経験を積んで、そ
こから会社を大きくしてきた人もたくさんいます。
営業が得意な人。
配車が得意な人。
人をまとめるのが得意な人。
荷主との関係を作るのが得意な人。
それぞれに強みがあります。
でも、会社を経営する以上、
「苦手だからやらない」では済まなくなってきています。
特にこれからはそうです。
「仕事を取る」だけでは会社は回らない
運送会社にとって、仕事を取ってくることはもちろん重要です。
仕事がなければ売上は立ちません。
だから、
「まずは仕事を取る」
という考え方自体は間違っていません。
問題は、
仕事を取ることを優先しすぎて、会社を管理する仕事を後回しにしてしまうことです。
仕事はどんどん増える。
車も増える。
ドライバーも増える。
売上も増える。
でも、事務処理の仕組みは昔のまま。
社長の頭の中にしか情報がない。
ベテラン事務員しか分からない。
担当者が休んだら誰も分からない。
そんな状態になっていく。
すると、会社が大きくなるほど管理できなくなっていきます。
そして「法律が厳しい」と言い始める
ここが、私が一番気になるところです。
事務処理ができていない。
必要な記録が残っていない。
書類が整理されていない。
労務管理も十分にできていない。
経費も正確に把握できていない。
そんな状態で法律が変わる。
すると、
「また法律が変わった」
「国は小さい運送会社を潰したいんか」
「こんなん大手しか無理やろ」
という話になる。
もちろん、法律や制度の中に、現場の実態と合っていないものがあるなら、それは声を上げるべきです。
私自身、運送業界の制度について「これは現場を見てほしい」と思うことはたくさんあります。
でも、
「自分がやってこなかった管理業務」と「法律が厳しいこと」は、分けて考えなければいけない。
と思っています。
小さい会社だから淘汰されるのではない
私は、
「小さい運送会社だから淘汰される」
とは思っていません。
小さい会社には、小さい会社の強みがあります。
意思決定が早い。
社長とドライバーの距離が近い。
荷主との関係が深い。
地域に根付いている。
大手にはできない柔軟な対応ができる。
そういう会社は、これからも必要です。
ただし、
小さい会社であることと、管理ができないことは別問題です。
むしろ小さい会社だからこそ、
「何にいくらかかっているのか」
「どの仕事で利益が出ているのか」
「どの仕事が赤字なのか」
「ドライバーにどれだけ時間外労働が発生しているのか」
「必要な書類は揃っているのか」
を経営者自身が把握できることが重要です。
DXは「魔法」でもなんでもない
DXを導入すれば会社が勝手に良くなるわけではありません。
システムを入れたら、
利益が分かるようになる。
法律を守れるようになる。
事務処理ができるようになる。
社員が勝手に効率化してくれる。
そんな魔法ではありません。
DXはあくまで手段です。
だから私は、
DXの前に、まず事務処理。
と言いたい。
そして、その前に、
「自分の会社が今どうなっているのかを知る」
こと。
ここから始めるべきだと思います。
「できない」から始めてもいい
もちろん、最初から完璧にやれという話ではありません。
高速道路の利用明細の取り方が分からないなら、調べればいい。
受領書の管理方法が決まっていないなら、ルールを作ればいい。
請求書の作成が人によって違うなら、統一すればいい。
担当者しか分からない仕事があるなら、手順を書き出せばいい。
最初はアナログでもいいんです。
大切なのは、
「できないからやらない」から「できないから仕組みを作る」へ変えること。
その先にDXがある、が理想なんだと思います。
運送業に必要なのは「トラックを走らせる力」だけじゃない
運送会社は、トラックを走らせて荷物を運ぶ会社です。
だから現場の力は絶対に必要です。
でも、会社を継続させるためには、それだけでは足りません。
仕事を取る。
配車する。
人を採用する。
人を管理する。
お金を管理する。
原価を把握する。
書類を管理する。
法律を守る。
そして、必要なら業務を改善する。
全部、会社を経営するために必要な仕事です。
その中の一つを、
「俺は苦手だから」
「嫌いやから」
と放置してしまえば、どこかで必ず歪みが出ます。
まずは「DX」ではなく「管理」から
運送業界は今、大きく変わっています。
物流効率化、人手不足、労働時間規制、取引適正化、運賃・料金の見直しなど、これまで以上に経営管理が求められる時代になっています。
だからこそ私は、
「小さい運送会社は淘汰される」
という言葉を簡単に使ってほしくないと思っています。
淘汰されるかどうかは、会社の大きさだけで決まるものではありません。
小さくても、きちんと自分の会社を管理している会社はあります。
逆に、大きくても管理ができていない会社はあります。
だから必要なのは、
「大きくなること」でも、
「とりあえずDXを導入すること」でもない。
まず、
自分の会社の現状を知ること。
そのための事務処理を整えること。
そして、そこで見つかった課題を一つずつ改善すること。
その先に、
「ここは人間がやるより、システムに任せたほうがいい」
という部分が出てくる。
そこではじめて、DXが意味を持つんじゃないでしょうか。
DXはゴールじゃない。
会社をちゃんと管理するための「手段」の一つです。
運送業にDXを勧める人には、
システムの話をする前に、
一度、現場の事務処理を見てほしい。
人が把握していないものをどうやって機械に落とし込むかを確認する作業が大前提で必要だと思っています。
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プロフィール

とら子
トラック運転できないAT限定免許配車マン。
トラックは街の風景だと思って過ごしてきた学生時代。 けど今はドライバーさんのおかげでご飯食べれています。
配車はドライバーさんと荷主の緩衝材。 目の前の利益より損して得取れ精神で配車係やらせてもらってます。 -
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